寺子屋塾で読み進めていた『ドラゴン桜』(初期の方)を読み終えました。
今までろくに勉強してこなかった高校3年生が1年で東大に挑むための勉強の日々を詰めに詰め込んだ作品で、本気の1年という期間の凄みを感じました。
過去のことながら学校で数学を教えていた身ということもあって、話を楽しみつつも出てくる指導法や教師と生徒、あるいは保護者とのかかわり方にも1つ1つ注目していました。
数学の学習法に関しては、まず小学校レベルの計算を正確に解けるようにさせたのは僕もそれがまず第一だと思いました。
ただ高校3年生で残りの期間が1年しかない状況の上での決断は、僕だったら怖くてできないでしょうね、せめて中学ぐらいに妥協してしまうかな・・・。
とはいってもそれが数学の力をつけるにあたっての前提であると同時に大事な要素がふんだんに含まれているわけですが。
それから印象的だったのは前にも投稿したトランプゲームで、あれは知らなかったですが理にかなっている方法だと思ったので使い勝手がいいのでオススメです。
一方、問題と模範解答を同時に見て学習する方法などやったこともなく学習効果があるか分からないものも多くあって、そういったものは何かの機会に試してみたいです。
もちろん数学だけではなく国語、英語、理科、社会についての学習法も出てきます。
ほかの教科の学習については僕には知識不足で分かりかねるものばかりで何ともいえません。
ただ、出題者の意図を読むことや問いをもつことなどについては教科に関係なく言えることなので大切なことだと共感しました。
また、社会の学習法で出てきた「メモリーツリー」は広く応用が利くものだと思うので試してみたいです。
教科の学習法だけでなく子どもとのかかわり方についても描かれています。
子どもへの親のかかわり方もいくつか出てくるのでそれが参考になるのはもちろん、生徒への教師のかかわり方についてもつまりは教え手のノウハウになっています。
そのような部分も多く出てくるので子どもをもつ親がどう子どもとかかわっていけばいいかを学ぶものとしても使えるかと思います。
ここまでべた褒めしていますが、疑問が残る部分もあります。
その探し方は簡単で、「どうして現実ではこうはうまくいかないのか?」という問いをもつことです。
読めば分かると思いますが、読んでいると「この作品の勉強法でうまくいきそうじゃん!」って思うわけです。
僕なんか読みながら「東大目指しておけばよかったなー」なんて思いましたよ(笑)
しかし完璧な勉強法ならこれを読み込んで実践していけば誰だって合格してしまうはずです。ですが現実そんなわけがありませんね(笑)
つまりは完璧な筋書きのようでやっぱりフィクションなのです。
その要因の大部分は人間という種が計り知れないほど複雑な生物だということです。
人間には脳があり心がある、それに身体という限界もあるのです。
分かりやすいのは「考えるな、とにかくやれ!」がどれほどできるかということでしょう。
あともう1つは時代背景ですね。この作品が連載されたのは2000年代頭です。
その頃は作品に紹介されているとおり社会は「学歴重視」だったかと思います。
しかし20年近く経った今はというと、まだありもしていますが以前に比べると学歴に関係なく活躍できる社会になっていることと思います。
つまりは今は前提が変化してしまっているのです。
そこをすり合わせないとズレたものとなってしまっているでしょう。
そういう点で今度は『ドラゴン桜2』が楽しみなわけですが。
またファンブックには登場した学習法に対する東大生の声も載っているのでそれもおもしろいのでオススメです。
寺子屋塾で読み切ったわけですが、これは自分の手元にそろえておきたいと思っています。
今も子どもに勉強を教える機会もありますが、勉強しない子にせめてこれでも少し読んでおけと渡すのでも十分だと思います。
ただ読んだだけで勉強した気になってもらっては困るのでその後に少しだけ読んだ部分の学習法を試したりね。