『世界でいちばん素敵な数学の教室』という本を購入しました。
最初に数学の分野と系統性の紹介があり、そこから40個近くのトピックがあります。
数学の事柄についてこれほど幅広くの分野が1冊にまとめられている本はそれほど多くないのではないかと思います。
そして誰もが楽しめるようにと身近な話題から数学史まで様々な切り口で紹介しています。
読み物でもありながら全ページカラー印刷となっているので目で見ても楽しめるようになっています。
著者が大人向けの数学塾も開いているということもあり、この人が大切にしていることが伝わってきました。
この本での終わりに読んだ人へのあとがきが書かれています。以下その文章です。
本書を最後までお読みいただき誠にありがとうございます。
さて今、どのような感想をお持ちでしょうか?
「へえ!そうなんだ!!」という発見や「面白いなあ」と興味を持てることがたくさんあったことを願ってやみません。
学生時代の数学の教科書やテストに載っていた数式を無味乾燥なものに感じていた人は多いでしょう。でも、本来の数学はまばゆいばかりの極彩色で彩られた実に多種多様で豊かな世界です。もし本書を通じてその片鱗を感じていただけたのなら、ぜひ今よりもう少し踏み込んで数学の世界に入ってみていただきたいと思います。
私は常々、数学という学問ほど生涯学習に向いている学問はないと思っています。どのようなレベルの方でも、紙とペンとよい教材さえあれば楽しむことができる。数学にはそういう懐の広さがあります。
ただ、そうは言っても、数学のレベルを上げていくその途中では壁にあたってしまうこともあるでしょう。そうなると、数学がまたモノクロの冷たいものに感じられてしまうかもしれません。そんなときはぜひ本書を開いてください!そして、ふたたび数学の魅力を思い出していただければ幸いです。
あなたの数学ライフが楽しく、幸せなものでありますように。
この文章の中に「数式を無味乾燥なもの」と書いていますが、僕も数学を教えたり数学が苦手という人と話をしていて思うことがまさにこれです。
おそらくこの人にとって数式はただの文字の羅列であり動きのない静的なものにほかならないのだろうと。
ですが僕からすれば、数式というのは意思を持ちいつも僕らに呼びかけているもの、数字ひとつひとうが印象を備えているもの、数式によって色をもつもの、かみしめるほど面白みという味を出すもの、そう思えるのです。
数学は風景であり、風景は数学なのです。
僕も自分にできる形でこのようなことを1人でも多く伝えていけたらなと思っています。