【らくだプリント 小4-24】
前回は仮分数を帯分数(または整数)に直したのに対して、今回は帯分数(と整数)を仮分数に直す問題です。
前回と今回の関係は対のものとなっていると捉える人が多いのではないかと思います。
僕もこのプリントを開始する前は対だという見方しかしていませんでした。
ですがそういう単純な話で完結させてしまうと落とし穴があるということに気づきました。
この話は特に算数を教える立場にある人は頭の片隅にもっておいた方がいいのではないかと思います。
それに気づくための手がかりは前回の投稿で書いた数量感覚というものです。
itasan-kibunyasan.hatenablog.com
逆である仮分数→帯分数(整数)は数量感覚を大いに感じたのですが、帯分数(整数)→仮分数では数量感覚が活きているという感じがしませんでした。
感じることはないとまでは言わないですが、数量感覚はそんなに関係がないのです。
帯分数・整数から仮分数に直すということは思考して行うこと、自然的でなく人為的なことなのです。
数量感覚という観点からすると、それぞれの操作は乖離しているといえるのではないかと思います。
では帯分数(整数)→仮分数は何のためにやっているのかと思いたくもなってきます。
ですがそれなりの理由はあると思っています。
それは自由さとやり方の幅を生み出しているのではないかと思うのです。
1は2/2にも3/3にも4/4にも100/100にも書き換えることができるのです。
3と3/4は15/4にもでき、仮分数にしきらない状態、2と7/4にもできるのです。
これがつまりは帯分数の引き算における繰り下がりですね。
これは知恵という確固たる人為的操作なのです。
結果として分数というルールに沿って取り組むことになる計算に自由度が生まれたのです。
ところで今の学校での算数は帯分数の足し算・引き算は本当に仮分数にして計算するようにしているのでしょうか?
単純ではあるのですが、せっかく見出した自由を自ら放棄してしまっていることに気づいていますでしょうか?