もう1か月以上前のことになりますが映画『君たちはどう生きるか』を観に行きました。
観に行ったタイミングとしては上映開始から10日ほど経った時期で、周りから感想がちらほらと届いた頃でした。
ネタバレはしませんが、やっぱり考えてみたいのは今回の作品の特殊さというか賛否両論分かれることになる部分についてです。
まずそもそもが事前に告知をせず突然上映が始まったところから何か違うと感じるものがあります。
そして上映開始してからもあらすじも紹介されることなく、しばらく経って作品中のカットを一部紹介するというほどのヴェールに包まれたものでした。
さてネタバレをしないように感想を書こうと思います。
作品のストーリーだけに着目して特定のテーマがあると考え、ストーリーを切り出しても面白みがないというか、不完全なものに思えてしまうのではないかと思いました。
見ていて自分に引っかかったキーワードはいくつかあったのですが、最後まで見終わった時に「これじゃない感」がしました。
部分的にではなくストーリー全体で捉えようとしてもモヤモヤが残り不完全な見ごたえで終わってしまうように思います。
ということは、この映画はこれまでの見方では通用しないのではないでしょうか。
宮崎駿監督がこの作品で挑戦をしているように、見る人たちに対しても何か求められているのではないかと思いました。
宮崎駿監督という人が、このタイミングで、このような形で、このようなストーリーの作品を制作したのはなぜか。
このような問いを持って入ると、ただ作品のストーリーを追うだけでなく、作品に溶け込んでいるものに気づくことができるのではないでしょうか。
「楽しみ方」という言葉の「楽しみ」の意味合いがほかの作品とは異なるようにも思います。
そしてこの作品に溶け込んでいるものというのは、正解がないのではないかと思います。
しばらく「虚数」の話をしてきましたが、人によって異なるものであり事実という正解はないものということは「虚数」にあたるといえるのではないでしょうか。
最も僕自身はジブリオタクでもなければジブリ作品はあまり見ていないですし、宮崎駿監督のことも知らないので明瞭な気づきはないのですが。
ただ僕としてはこのようなことを考えることができただけで楽しむことができた作品でした。
もう1度は観に行ってみたいなと思っています。