気分やさんの気ままなブログ

【数学の美学が生み出す暗黙のルール】

【連続投稿142日目 1782投稿目】

【作成日時:12/8 23:12~23:50、38分】

 

【らくだプリント 中3-17~18】

 

 寺子屋塾で同じあたりのプリントをやっていた人とこんな話をしていました。

これらの問題の答えに共通することとして、どこかしらに文字の順番通りでない部分があります。

例えば1つ目の問題だと(2-a-b)の部分は(-a-b+2)、さらに先頭にマイナスがあるのでマイナスを外に出すようなことになります。

文字の順番通りに並べるということは何よりも式の展開の部分でらくだプリント自体が指示していたものです。

1番のプリントに

といったように文字の順番についての書き方の補足があります。

さらにこの次である2番のプリントでも

といったように降べき順という項の書き並べ方についてのルールがあります。

itasan-kibunyasan.hatenablog.com

ですから自分でそう言っておきながら自分が守っていない状態なわけですね。

 

 これがそれなりに多くの人が感じている数学の妙なところかもしれません。

数学にはある種の美学が付きまとっています。

しかしその美学は明確なものでもなく、説明されているものでもありません。

ですからその美学があるということが「暗黙のルール」と化しているのです。

1番最初に紹介した2x(a+b)-(a+b)²についても、問題の時点から本来であれば(a+b)を中心に考えて2乗がついている後ろの部分の方が先に来るはずです。

にもかかわらずこの並びになっているということは「そういうもの」とされているのです。

しいて意味付けすれば(a+b)が1よりも小さい分数にあたるものであるがゆえに(a+b)²の方が小さいから、みたいな話でしょうか。

暗黙のルールなので真相は分かりませんが、このような解釈をするにしろしないにしろ「そういうもの」だと受け入れるよりほかないのですね。

そしてもうこの時点で文字の順番という原則に沿っていないので、答えも暗黙のルールに従いかねないわけですね。

結果、(2-a-b)という文字の順番でない答えが模範解答となったわけです。

(もちろん文字の順番通りに書いても適切であれば〇です)

 

 が、数学といえば「答えが1つに決まるもの」と言われているからこそこのような表記ゆれがあることが気持ち悪いのではないかと思います。

さらに僕であればこのような暗黙のルールや美学が存在していることを理解しているのでいいですが、多くの人は知らないことでしょう。

ですから実際に丸つけをしようとするとこの書き方でいいものかと悩むこともあるかと思います。

それに対しての僕の意見は、自分の中で折り合いがつくかどうかではないかと思います。

その人が「絶対的に文字の順番で書くべきだ」と思っているならば、文字の順番通りでないと納得がいかないわけですよね。

であれば自分が文字の順番通りに答えるようにするというルールを定めて折り合いをつければいいのです。

ちなみに僕は因数分解においてかっこの中のものが(-a+b)というように先頭がマイナスだとイヤなので必ずマイナスは外にくくり出すようにしています。

確か今回のプリントの問題の中には模範解答で先頭にマイナスがついているものがあったはずです。

 

 それもこれも数学は答えが1つである、無機質なものだといったような先入観や固定観念がある上に、数学に美学が内在しているからこそ生じる話なのでしょう。

数学ってわりかし気まぐれだったりしますからね~。