気分やさんの気ままなブログ

【仮想世界とリアルのちがい】

 ずっと見ようと思っていた配信動画、「数学のいま、社会の未来 ~現代数学が切り開く地平~」をようやく見ることができました。

【研究部特別企画】数学のいま、社会の未来 ~現代数学が切り開く地平~ - YouTube

この配信は、2021年10月1日に設立されたNTT基礎数学研究センタの若山正人先生と、ドワンゴ学園の数学教育顧問を務める加藤文元先生、ファシリテーターとして教育系YouTuberのヨビノリたくみさんが出演しています。

二人の研究分野についてのお話や、純粋数学と社会の発展について、人材育成の取り組みなどについてが話されました。

 

 数学研究ってすごいな~とか民間企業で数学を研究できるなんてすごいな~とかも思ったのですが、特に研究とネットの結びつきの話が興味深かったのです。

話の中に出てきたのはオンライン上で人が集まって研究ができるようになるという話で、確かにできはするけど・・・という話になりました。

それはどこからでも誰でも参加できるという大きな利点はありながらも、リアルで集まった時に生まれる特有の空気感がそぎ落とされてしまうという懸念点を挙げたのでした。

それに近い話として論文を探す場面を挙げて、今ではネット上から論文を拾ってこられるが、それだとほしいものしか目につかない、それに対して図書館に行くとほしい論文だけでなくほかにも目が行く。

そこから着想を得ることもある、ということを紹介していました。

 

 それって研究以外のことにも言える話だなと思ったのでした。

僕も、1冊は書店になくネット注文しましたが、基本は書店に行って本を買います。

するとたまたま目についた本を衝動買いするわけですが、それが想像以上におもしろいもので大切な1冊になったものがいくつかあります。

 

 教育に関する話だったからより関心が持てたというのはありますが、このことはリアルとネットを識別する大きな視点だと思いました。

ネットは離散的であるのに対してリアルは連続的だと思いました。どことなく数学的な表現ですね。

ネットはAはA、BはBと分かりやすいし便利であるがそれゆえに空気感だったり思いもしない機会がそぎ落とされていることがある、それが離散的なのです。

それに対してリアルは、手間な部分であったり情報量が多いことはあるのですがそれゆえにAとBの間にある何かから生まれることがある、それが連続的という部分です。

 

 ちなみにこの動画でも自分の社内でもメタバースという話題が出ているのですが、現時点では完全にリアルに取って代わるものではないと思います。

しかしそれが仮想世界でリアルと同様に空気感だったりノイズみたいな連続性の部分まで人と共有できる、まさにソードアートオンラインのような世界ですが、もしそうなった時には世界は一変しているのだろうなと思います。