野球には「配球」と「リード」という言葉があります。
どちらも主にキャッチャーに求められるものですが、微妙にニュアンスは違います。
言葉の定義次第なところはあるので一概には言えないですが、「配球」は試合前に考えることができることです。
例えば投手の球種とコースによる効果的な組み立て、相手チームの打者の特徴、カウントやランナー別のケースごとにどうするかなどです。
ですから試合前のミーティングでより綿密に練ることで配球は優れたものを考えられます。
一方「リード」は試合中にどの球種・コースに投げるかリアルタイムに考えることです。
実際に打者と相まみえることで、試合の空気感や打者の状態、これまでの組み立てからの打たれそう・なさそうという感覚などが生じています。
それを受けてどうするか考えるというのが「リード」になります。
この違いを知った時に思ったのがどちらも大切だということです。
「配球」を考えることを怠るのは準備不足で持っている力を十分には発揮できるはずがありません。
しかしいくら「配球」を極めても、状況が変わる変わる進む試合の中で前準備したことだけででは今に合ったことではなくなってしまいます。
つまりどちらも大切にするということは綿密な前準備と同時に柔軟性を担保するということでもあるのでしょう。
そしてこの「配球」「リード」の関係のものは野球に限らず様々なことに言えるでしょう。
いつかに書いたと思いますが将棋の対局でも同じでしょう。
インタビューゲームでも、特に僕に当てはまることでしょうが、やる前に何を最初に質問しようかとかどういうことを聞こうかとか考えたとしても最終的には実際にやりながらその場で浮かんだことを大切にします。
テスト・試験でもそうではないでしょうか。試験勉強や過去問を解きつつ本番の展開をイメージトレーニングはできます。
けれど予測と実際のテストが大きく異なった時に必要なのは今を大切にしての順応性です。
実生活で何があっても臨機応変に柔軟に対応できる人というのはこのようなことが体得できているのではないでしょうか。