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【『偽義経冥界歌』を通して考える中島かずき作品の魅力】

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 先日映画館に、演劇を上映した「ゲキ・シネ」を見に行きました。

作品は中島かずきさんと井上ひでのりさんが手掛けた劇団☆新感線の『偽義経冥界歌』(にせよしつねめいかいにうたう、以後「偽義経」)です。

 

 

※この先、『偽義経冥界歌』をはじめ数々の中島かずき作品のネタバレを多く含みます。

 

 

 今回は思ったことがいろいろあったのでネタバレありで書こうと思います。

それにあたって、今まで見てきた中島かずきさんが手掛けた作品は、

天元突破グレンラガン

キルラキル

・プロメア

・髑髏城の七人 修羅天魔

・映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(←調べてみて知りましたが、納得)

の5つでした。

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あと、前に紹介した著書『中島かずきと役者人』の内容にも触れつつ書いていきます。

これから挙げる感想は偽義経だけでなくこの作品にも共通していることでもあり、つまりはそれが中島かずきさんの作風といえるものだろうと思います。

 

 感想その1はとにかくバカを前面に押し出していることです。偽義経では主役の義経がバカであり、その回りにもバカなキャラがちらほらいました。

これは著書の中でもいろんな人が語られていますが、バカなくしてはクライマックスを作れないものだと思いました。

グレンラガン→カミナ、キルラキル→マコ、プロメア→ガロ、修羅天魔→兵庫、クレヨンしんちゃん→しんちゃん

主役・脇役関係なくどの作品にもずば抜けたバカが存在します。

でも「キルラキル」での「なんだかよくわからないものに溢れているからこの世界は美しい」というセリフが真理をついているのだろうと思います。

よくわからない展開にアツさをかけ乗せてストーリーを仕立てているのです。

 

 感想その2は、それに加えて主要キャラを遠慮なく死なせていることです。

義経では牛若、義経の父、そして主役である義経が死にます。今作であればそれがストーリー構成の核にもなっていますが。

では、今までに見た5作品はというと

グレンラガン→カミナ・キタン・ロージェノム・ニア、キルラキル→鮮血・羅暁、プロメア→マッドバーニッシュの連中、修羅天魔→夢虎・無界の里の人々、しんちゃん→ロボとーちゃん

グレンラガンは本当に衝撃的でしたね。

命と引き換えに話をまとめているようにも見方によってはできるのではないでしょうか。

 

 そして3つ目は話中の派閥と派閥を移ることが往々にしてあることです。

義経ではそもそもの話で、次々に新しい派閥が現れて、3時間のもので5勢力あるというのは多いのではないでしょうか。

そして、海尊・弁慶の裏切りによって話が大きく動き、揺らぎます。

そして他作品で見ると、

グレンラガン→ロージェノム・ロシウ、キルラキル→流子・皐月、プロメア→リオ・クレイ、修羅天魔→極楽太夫・夢三郎(あえて)、

特に、キルラキルの流子と修羅天魔の極楽太夫については主人公に関わらず闇落ちして敵方につくなんて衝撃的な場面がありますからね。

逆にグレンラガンのロージェノムやキルラキルの皐月はすがすがしいほどに敵から見方に着きましたからね。

この立ち位置の変化が中島かずき作品の話を膨らまして、それに加えて前の2点のことで話をおもしろくもってっているのが特徴ではないでしょうか。

ここまで分かると、今回6作品目ながら、初見でも見ながら話の展開が読めるようになってきました(笑)

ただ、だとしても面白いのがすごいところです。

 

 ほかにも、主役の義経を演じた生田斗真さんのテレビドラマとはちょっと違う演技や、著書を読んだからこそ思った藤原さくらさんの生演奏・生歌唱の感動など、役者個々に対して感銘を受けた部分もありました。

 

 まだまだ他にも演劇作品があるのでそれも見てみたいですね。