気分やさんの気ままなブログ

【音が作り成している空間】

 東京に行った時に相田みつを美術館ともう1つ寄ったのがNTTインターコミュニケーションセンター(ICC)です。インターネットテクノロジーが使われているものもある多種多様のメディアアートが展示されています。(施設紹介ページがコチラ

 その中でも期間限定の特別展示されていた坂本龍一さんのIS YOUR TIME が興味あったのです。これは坂本龍一さんが去年出したアルバム『async』にちなんでのものです。そこは広くて黒い部屋で照明がついておらず、10何本かの柱に取り付けらえているモニターがそれぞれのものに連動している音が鳴ると点灯して光るというような空間でした。その10何種類の音と部屋の一番奥にあるピアノの音がプログラミングによってそれぞれの音が重なり合っているのを楽しむ場所です。

 そういった空間だからこそ改めて感じたことが、同じ空間の中にいても同じものを聴いている人は1人とていないということです。その部屋にいる人がみんなその場の音を聴いているからこそ話し声もなく純粋に音だけが聴こえてきます。しかし声はしませんが、人が歩く音であったり自分が持っていたカバンに付けてあるキーホルダーがカバンに当たって鳴る音とかはしているのです。そういったこの空間に鳴っているすべての音のどれだけを認識しているか、それからいる場所による音源の位置関係の違いによって聴いている音は違うのです。

 それからもう1つ気になったことがあります。それは他の人の音の聴き方です。何人もの人が部屋の壁にもたれかかって体操座りして音を聴いていたのです。どのようにしてこのような聴き方が広まったのでしょうか?一人一人が来る時からこのような聴き方をしようと考えていたということはまずないでしょう(笑) いかにして1人目がこのように聴き始めて、2人目の人が続いて同じように聴いてさらに同じように続いていったのかと考えだしたらそれが気になって仕方なくなりました。ただ、座っても、自由に聴いていいのだという安心が与えられているというこの場もすごいことだと思ったのでした。

 

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